コラム 生き方

ゲイであること -思春期の思い出-

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思春期は、黒歴史です(笑)。(笑)ってつけられるのは今が楽になったから。
『ばび相談室』で14歳から恋のお悩み相談をいただいたことをきっかけに、自分の思春期のことを思い出してみました。

インターネット上でどこまで晒してしまっていいのかわからないので、このページでは取り留めのない思い出話をサラッとまとめています。ご要望があればもっと深いところも続編書きますよ☆

 

黒歴史

 

取り留めのない思春期の話

 

 

時間が経つと、嫌なことぜーんぶ忘れちゃう。

ヤスくんアバター この間『ばび相談室』で14歳から恋のお悩み相談を頂戴して、(思春期の思い出って大切。キラキラした経験をして欲しいなぁ)なんて思いながらお答えしていたわけですけど。

ふと、自分にはどんなキラキラした思い出があるのかなって振り返ってみたら、黒歴史なの。思春期(笑)。

時間が経つと嫌なこととか嫌な気持ちとかぜーんぶ忘れちゃう性格だから、楽しい思い出ばっかりのつもりでいたけど、じっくり静かに自分と向き合って思い出してみると、黒歴史だったなぁって。
でもね。その時代があって今があるわけだから、自分的には全然いい思い出なんだけど。

もしかしたら、今悩んでいる思春期の方や、思春期にいい思い出がない方に、共感してもらえたり元気になってもらえるかもしれないなと思って少しメモします。

小学生の時から『男の人』に興味があったな。

ヤスくんアバター

僕は小学生の頃からもうすでに男の人に興味がありましたよ。でも当時は、『同性愛者』の意味も、多分、よく分かってなかった。分かってたのかもしれないけど、『男の人』に興味がある自分に罪悪感とかは全くなくて。

体育の先生のがっしりした体とか、登下校の時に思い出したりしてましたね。

そうそう。僕は学校まで結構遠くて、片道45分くらい歩かなきゃいけなかったんですよ。だから、結構時間があるから、いろんなことしてました。
当時、黒柳徹子さん出演のテレビ番組で『ベスト10』っていうのが流行ってて。それを真似して自分だけの『ベスト10』をいろいろやってました。自分で歌も作ったりして(笑)。

その時作った歌で、今も鮮明に覚えてるのが「口は遠慮よ」って歌(笑)。「口は遠慮よ、遠慮よ、遠慮よ…」っていう歌なんですけど。
なんだかもう、当時から「遠慮よ」って「よ」とか言ってますね(笑)。それにコレ、言えないことがあるって歌ですね、今になって解釈してみると。当時から言えないこと抱えてたのかなぁ。

【女の子から告白された思い出】
僕、小学生の時に女の子から告白されたことがあるんですよ。クラスでも結構人気者の、すごくおませさんな女の子から。
それでその子に告白されながら「キスして」とか言われちゃって。
すごくびっくりした記憶があるんですけど。

あれって、クラスの子達にからかわれてたのかなぁって思い出します。クラスの子が、「あいつホモかどうか確かめてこいよ」とか言って女の子をけしかけたのかなぁとか。

小学校の頃から、「おかまー」とか言われてたんですよね。
でも、意地悪されてたとか、恒常的にいじめられてたとか、そんなことは全然なくて。楽しい思い出ばっかりなんですけど、じっくり思い出すとそんなこともあったなって。

 

中学高校。『同性愛者であることが社会でどうみられるのか』を意識して。

ヤスくんアバター

テレビとかマスメディアからの情報で、『同性愛者が社会でどういう存在なのか』っていうことを意識しはじめたのは中学高校です。この頃が黒歴史(笑)。

結局、自分がゲイだっていうことをみんなに言えなかったっていう部分があって。言えなかったっていうのは、言うと、何されるかわからない、みたいな…。

当時、同窓会っていうドラマがあってゲイ役の子が出てくるんだけど、その子が矢に刺されて死んでしまうっていうシーンがあるの。当時のメディアからから流れてくる内容だと、ゲイの人って、悲しい結末を迎えやすい(笑)。

同窓会っていうドラマ自体はすごく画期的だったし、ゲイという存在があることを世間に知らしめたっていうのはすごいと思うんだけど…。
あとその他の番組でも、例えばバラエティーとかだと、『ゲイは忌み嫌われる存在』みたいな感じだったから、やっぱりなんか、『生きてちゃいけない』っていう感覚がね。

親とかも「孫の顔が見たい」って言ってくるから、なんか、(孫の顔見せられなくてごめんなさい)みたいな。


なんで生まれてきたんだろう…とか、
生まれてこなきゃよかった…とか。

当時は自分のことをすごく嫌ってたから、自分に対してすごい攻撃的で、それが、その矛先が、他人にも向かってたと思います。

自分のことをからかってくる人とか冷たく当たってくる人とかのことを、(みんな死ねばいいのに)みたいに思ってた気がします。
多分みんなそこまで真剣に捉えてなかっただろうし、ただ単に軽い気持ちでからかってただけだと思うんだけど…。
学校からの帰り道は、なんか、そんなことをよく考えてましたね。

【中学時代の剣道部の話】
中学の3年間は剣道部に入っていて。部活動は楽しかったです。もちろん、自分の内側のこととか心理状態のこととかを誰かに相談したりはできないんだけど、先生とか、一緒に入った子とか、みんなすごく良くしてくれたんですよね。

すごく、ちゃんとこう、みんなで真剣に剣道と向き合った、っていう感じで。
それ以外は特に付き合いはなかったんですけど。
剣道に対して一生懸命みんなで真摯に向き合っていたんで、気持ちよかった。
黒歴史っていっても、そういういい思い出もあります。

 

甘酸っぱいラブレターの思い出。

ヤスくんアバター思春期の甘酸っぱい思い出っていったら、これかな。
『ラブレター』を書いたんですよ。

どこから話せばいいかな…。
その子とは家が近所で、小学生の頃ずっと一緒に登下校してたんです。で、もうすぐ中学生になるっていう時に、「中学になっても仲良く一緒に学校行けたらいいね」みたいなことを言ってくれて、「そうだねー」とか返事をしながらも、(えー、もうなんかやだな。もううざいな。)とか思っちゃってたの。今思うとほんと贅沢。それに、なんでそんなこと思ったのか全然わからないんだけど…。

そんな感じで小学生を終えて中学生なると、クラスが別れちゃったのもあって、自然と連絡を取る機会は減っていっちゃいました。

その時に、自分がゲイであるということを自覚するとともに、(実はその子のことが好きなんじゃないか)って意識しはじめたんです。

だんだんだんだんそういう気持ちが強くなって、あれは高校の時かな。大学かもしれない。高校からはもう別々の学校になったので。
そのくらいの時期に、ラブレター、みたいなものを送ったんですよね。

そしたらその子はすごく真摯にお返事を書いてくれて。
『お互い別々の道で一生懸命頑張りましょう』みたいな。『お互い結婚して…』みたいなことが書いてあった気がする。

その時気づいたの。
あ…この人のんけだったんだ!?って(笑)。
あ…。のんけ…。のんけだよね…。みたいな。

ショック。誰か喋れる相手が欲しいなってすごくすごく切なくて。

そんな甘酸っぱい経験もありましたよ。

 

思春期の思い出は、結構、黒歴史(笑)。でもね、冒頭の繰り返しになりますが、それがあるから今がある。

今、自然にパワーをもらいながら、無理せず自分らしく生きられることにすごくすごく幸せを感じています。それに、そんな思春期を経験した自分だからできることがある、という事実もあるんですよ。

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