コラム マドとの会話

脱サラのその後 -組織が苦手なマドの例-

脱サラ後のマドのイメージ

以前、組織が苦手すぎて会社員として勤め上げられなかったマドの脱サラ話をご紹介させていただきました。
(参考:脱サラ-組織が苦手なマドの例
このページでは、ヤスとの会話形式で、脱サラしたその後のことを追記しています。

脱サラ後にマドについて ヤスの関心事

ヤス:
マドちんが脱サラした経緯とか、脱サラした後のざっくりとした仕事の取り方とか、前、まとめてくれたじゃん。でももうちょっと気になるんだよね。


マド:
なになに?なんか興味をひくようなテーマある?


ヤス:
いや、興味をひくっていうかさ、普通に、「なんでやってけるの?!」って思うじゃん。
脱サラしたら経済的にも不安定になるし、しかもマドちんなんて未経験の領域でフリーの仕事取りにいってたわけでしょ?「どういうことーーー?」って感じだよ。


マド:
あー。経済面と仕事面の不安についてかぁ。それはねぇ、結構、黒歴史だよ。
経済的にはザ・自転車操業で(来月のお金どうしよう…)とかよくあったし、仕事面でも失敗とか思い出したくもない話とかすごいあるよ。


ヤス:
そういうの教えてよ。


マド:
何から話せばいいのかなぁ…。
とりあえず経済的には、仕事がなくなってどうしようもない時はバイトしたよ。ただ、自分の身につけたいスキルを学習できるようなバイトを選んでたから、結構勉強になったね。web更新とかwebライティングとか。つまらなすぎて心を殺さなきゃやれない業務内容もあったけど、その単純作業からwebのことを色々学んだ気もするなぁ。


ヤス:
すご〜い。自分の関心がある分野を勉強できるようなバイトなんてあるんだねー。それに驚いた。


マド:
探せば結構あるよー。で、面接の時はすごい自分を売り込むの。こんなに頑張りますって。そしたら大体のところがとりあえず採用してくれるんじゃないかな〜。
正社員じゃないからさ。
非正規の、しかもバイトだから、人件費安いし、日本は人をきれない(解雇できない)とは言ってもなんだかんだきりようはあるからね、特にバイトは。


ヤス:
マドちんはさ、そこで社員になって安定しようとかそういう願望はでなかったの?だって自分が気になる分野を仕事にできるわけでしょ?


マド:
ないわ。ないない。
業務内容で割り切れたとしても人付き合いとか社長とのやりとりとかが無理すぎて修行の場だもん。特に私がお世話になったところの社長は威張るタイプの方が多かったしね。


ヤス:
ふ〜ん。じゃあまあ、お金に困ったらバイトしてたってわけね。しかもそのバイトから更なるスキルアップをしてたと。でも人間関係が難しいからある程度の期間で辞めるんだね。
器用か不器用かわかんないね。

それじゃあ次は仕事の内容については?未経験でフリーになれるってどういうこと?どうやってやるの?


マド:
それはねぇ…。仕事内容というか、仕事の失敗談は話せば色々出てくるよ。

 

マドの失敗談は苦手な社長に絡む話がほとんど

ヤス:
マドちんはサラリーマンとして営業をしてて、「営業してたんだからインタビュアーとかライターとかできる気がする〜」って、フリーのライター業を始めたわけだよね?
なんかそれがすごい秀逸なんだけど。そんなんで仕事ってやれるもんなの?


マド:
やれるかやれないかはわからないけど、私の場合は、「やってしまった」って感じ。
上司がいないから叱ったり直したりされることもなく直接インタビューする相手の方とやりとりしちゃうじゃん。もうやるしかない。相手の方は私のことプロだと思ってるから、冷や汗ものだよ。
でもそれについては、もう、やるしかない。に尽きるんだよね。『成せば成る』的な。成ってたかどうかはほんと恥ずかしくて振り返れないけど。


ヤス:
そんなもんなんだ。それってきっと、マドちん向いてたんだね。向いてたからやれたんだよー。すごいことだよー。

だけどさ、さっき、仕事の失敗談とかすごいあるって言ってたじゃん。それは何?


マド:
失敗談はね。。。やっぱり人間関係なんだよねー。
私ってほんと、偉そうな社長とか横柄な社長とか苦手で、苦手すぎて萎縮しちゃって喋れなくなるから、自己防衛として逃げちゃうの。


ヤス:
逃げてもいいの?


マド:
いやだめだよ。
だから、とんでもないことになっちゃうの。

苦手な社長に対する失敗談例:
「ここまでしかやれない」と言い切れなくて、逃げた

ヤス:
ちょっと聞くのがこわい気もするけど、例えばどんなのがあるの?


マド:
例えばね、脱サラ直後に仕事をいただいた会社さんに所属されてた方で、すごいお世話になった方がいたんだけど。仮にAさんってするね。私とその会社との契約が切れた数年後、Aさんは独立されて、私に仕事依頼の連絡くださったの。

脱サラ直後にお世話になった時はさ、私今以上に仕事内容ちんぷんかんぷんだし、トンチンカンなことばっかりやってから、Aさんがすごいフォローしてくださってかなりかなりありがたかったのよ。感謝してもしきれない感じ。
で、そんな頃の私を知ってるAさんが、独立されて私に連絡くださって、サイトとか依頼したいって言ってくれたんだから、もうすごい光栄ですごい張り切ったわけ。


ヤス:
何それ。すっごくいい話じゃん。マドちんすごいよー。


マド:
ねー。いい話ー。
だけどさ、私って正当に主張するのが苦手。会社員時代も、自分がいいと思うことを勝手にやっちゃって、その行為について会社への説明ができなくて役員からボッコボコにされてたじゃん。
言ったっけ?
私、社長から、マネージャー会議の前には自分に電話するようにってこっそり言われてたんだよ。社長は心配してくれて、「何を話すのか前もって教えてほしい。言っていいことと悪いことアドバイスするから」って。


ヤス:
すっごいいい社長〜。そんな社長いるんだね。


マド:
そうなの。いい社長なの。だからこんな私でも何年間か勤められたんだと思う。
会社辞めて世の中の社長を見て、(あぁ…この社長の下だったら30分くらいがギリかな)とか思うことよくあったから、自分の社長のありがたさを後からしみじみ知ったよね。


ヤス:
で、それで?
話戻すと、さっきのAさんからの光栄な話がどう失敗談になるの?


マド:
あ。そうそう。
それでね、Aさん、会社員だった時には温厚で話をよく聞いてくれる方だったんだけどぉ…。
ご自分が社長になったらやっぱりちょっと変わっちゃってて、結構偉そうで横柄になってたんだよねぇ。まぁ忙しいだろうし、会社起こしたばっかりだと精神的にも色々あるんだろうから、(あ…)って思うたびに(甘えたことばっかり言ってちゃだめだ)って反省しながらやったんだよね。


ヤス:
えー。なんかショックだね。


マド:
うん。随分人柄が変わってて、なんかものの言い方も上から目線で、質問したら単語だけ投げてくる感じになってたの。私ビクビクしちゃって。ほら私、ただでさえ自分の行為をきちんと説明するのとか苦手だからさ、ビクつくとより一層コミュニケーションがチグハグになっちゃって。

(もうこわいからサービスしちゃお)ってサービスしちゃったこととか、(大変そうだからこれくらいは)って良かれと思ってサービスしたこととかを、向こうは当たり前に受け取ってしかもそのサービスに対してすごい文句とか言われたりとかが続いたのよ。
あと、ちょっとしたお願い事だって依頼されて、(ちょっとしたことならやれるかな)と思って引き受けたら、あれもこれもついでにやってってなったり。


ヤス:
その状況を解決するっていうのは、マドちんの苦手分野だね。


マド:
そうなんだよねぇ…。ほんといけないんだけど、私そういうの苦手で。フリーでやるって息巻いてるくせに、そういう簡単な交渉ごともできなくて、状況整理もできなくて、思い出したらほんと凹むわ。


ヤス:
凹む必要ないよぉ。そういうこと曖昧にしちゃうところがマドちんのいいところじゃん。よくわかんないけど。


マド:
まぁ、仕事としてはだめだよね。


ヤス:
どんな時も自己否定はだめ。


マド:
ありがと〜。
で、さっきの話に戻ると、そういう、もうどうしたらいいのかわからない。わからないけど毎日心が重たくてつらい。って感じになって、私、逃げたのよ。
ある日突然、ちょっと大きめの仕事が片付いた段階で、次の仕事も依頼してくださっていたけど、「もうこれっきりにしてください。本当にありがとうございました!!!」って逃げたの。


ヤス:
それって失敗談なの?


マド:
違うの?


ヤス:
だって、どこかで区切りつけないといけないところで、区切りをつけたってだけでしょ?
仕事断ったこと失敗談にするなんて、マドちん、それこそナンセンスだよ〜。
むしろさ、「この私がここまでやってあげたんだからほんとAさん助かってたと思う〜。Aさんってラッキーだったよねぇ。」くらいの思い出話にしてあげていいんじゃない?


マド:
ヤスくんすごいや。

苦手な代表に対する失敗談例:
「この考え方は嫌い」と言い切れなくて、逃げた

ヤス:
あとはどんな失敗談がある?


マド:
あとはねぇ…。
これも会社辞めた直後の話なんだけど、私、当時、キャリア教育に興味があったの。自分が学校っていう場所とか画一的な教育とかが苦手だったから、もっと自由に、もっと1人ひとりの個性を尊重して、みたいなことを謳ってるキャリア教育にひかれたのよ。で、自分も何か関わりたいって。


ヤス:
それもまたいい話だね。会社辞めたからこそできる自由な活動で、かつ、仕事につなげられたらすごくいいよね。


マド:
そうなのー。そう思って、地元でNPO活動されてる団体に、「私にも何かお手伝いさせてください」ってお願いしたんだよ。


ヤス:
行動力あるね。


マド:
ちょっと無理した行動力だったね。今思えば。何かやらなきゃと思って焦ってた。で、そこの方々にお手伝いさせてもらえたところまでは良かったんだけどぉ…。迷惑かけちゃった、、、思い出すと辛い。


ヤス:
最終的に逃げたんだよね?


マド:
そう。


ヤス:
何があったの?


マド:
考え方がさ、結局、学校なんだな、って思って。
私が学校教育で苦手だと感じているのが、『誰か偉い人が答えを持ってて、それに向かって矯正していくことが正解』みたいな価値観なの。なんかその価値観を押し付けられてる気がして辛かったのよ。私の主観だよ。勝手に私がそう感じているだけで、もちろん学校教育には尊い面があって続けられてるのだとは思うけど。
でもとにかく私はそれが結構辛くて。


ヤス:
例えばどういう時に、さっきの、『誰か偉い人が答えを持ってて、それに向かって矯正していくことが正解』みたいな価値観を感じるの?


マド:
例えば、よく、『5年後の自分(もしくは10年後の自分)をイメージしてそこに向かって努力しなさい』的な話があるじゃん。しかも、『それができる人が優れた人だ』みたいな価値観。
私これ苦手でさぁ。(5年後になりたい自分なんて、わかんない…)ってすごい落ち込んでたの。でもわかんないじゃ済まされないから、なんとかしなきゃいけないと思って、自己啓発本とか読み漁ったり、自己啓発セミナーとか参加してみたり、マインドマップが描けるようになるというワークショップに行ってみたり。なんかやればやるほど落ち込んで、すごい辛い時期があったのよー。


ヤス:
『自分にはできない』ってわかってる割には一生懸命悪あがきするところが従順だね(笑)。


マド:
頭悪いよねぇ。ヤスくんはそういう無駄なことしないからすごいなと思う。


ヤス:
何事も無駄じゃないよ。
それに僕も、今はこうだけど、昔はいろいろ悪あがきしてもがいてたよ。


マド:
そうなんだ〜。私さ、そういうもがいちゃう背景に、学校教育の影を感じるんだよね。画一化されてて、答えが決まってて、優劣つけられる感じの学校教育。


ヤス:
なるほどね〜。なくはないかもね。


マド:
で、話が脱線しちゃったけど、キャリア教育を通して子どもたちに自由を伝えていくのかと思ってたら、そこのキャリア教育のNPOは、考え方が学校教育と酷似してたのよ。
なんか、「大学に行くことが全てではない」みたいな感じで微妙にニュアンスは違ってはいたけど、つまるところそこのNPOの代表が信じてる答えに子どもたちを矯正しようとしてるように感じたの。


ヤス:
で、嫌になっちゃったんだ。


マド:
うん。でも、面と向かって嫌って言えなくて、だけど、考え方が嫌なんだから自分が任された業務も全然気が進まなくてやりたくなさすぎて、「すみません!!!」って言って逃げた。


ヤス:
なんか、マドちんが認識してる失敗談って、仕事の失敗っていうか、人間関係のいざこざばっかりだね。


マド:
だからそう言ったじゃーん。


ヤス:
しかも僕からしたら、全然失敗談じゃない。むしろ、成功に向けてすごいいい経験してる話に聞こえるよ。

フリーになってからの仕事って、自分で仕事を選ぶわけだから、その選び方にコツがいるのかもね。マドちんはそのことを経験から着実に学んでるって感じ。


マド:
仕事受けるのむずかしぃ〜。

それにそろそろ、受ける仕事から、自分でつくり出す仕事がしたいな〜。なんか商売したい。でも何をしたらいいのかわからない。


ヤス:
もうそろそろできるんじゃない?
これまでの仕事選びを通して、マドちん自信の価値観も、漠然としたものからハッキリしたものへと固められていってるんだろうなって思うよ。
だから、少なくとも会社辞めた直後よりは今の方が商売はじめる土台はできてそうだよね。


マド:
ヤスくんいいこと言うね。そんな気がしてきたよ。何か考えてみる!

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